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ダレル・ハラダ

ハワイアンの基礎(前編)

更新日:2022年7月28日


カフナ(Kahuna) カフナという言葉は、技能と美術の達人を意味します。多くの現代人は、カフナをシャーマン(呪術師)または魔術師や黒魔術の達人のことだと思っているようですが、それは違います。古代ハワイにおいてもっとも重要なカフナは、カヌーの作り手でした。 私の師匠は、ホ・オポノポノ(衝突の解決)と、ラ・アウ カヘア(スピリチュアルヒーング)、プレ(祈り)、そしてラ・アウ ラ・アウ(ハーバル・ヒーリング)のカフナでした。ですので、私もこれらの技術についてのみ述べることが許されています。 ハワイの美術、芸術を含む術(アート)の全てをスピリチュアルであると表現することは少し間違っています。ハワイ人は物質世界と精神世界を二つに分けて考えることはありませんでした。ハワイ人は、創造物の全てがマナ(アロハの力)または神聖な愛、つまり神によって繋がっていると考えていたのです。 ハワイの挨拶であるホニ(honi)は、ふたりの人が向かい合い、鼻とおでこをくつけて、同時に息を吸います。息を吸うことは、想像の息の精神や力を合わせて共有することを意味します。私たちが息をする際には、空気を得ているのではなく魂を得ているのです。スピリチュアルなエネルギー、マナ(mana)は、常に私たちの周りに存在しています。 マナ(Mana) マナとは、万物に宿る生命力やスピリチュアルなエネルギーを指します。石ですらマナを持っています。石は、私たちの兄弟であると教えられました。またマナは、空気や水、植物や昆虫、動物や人間の中にも存在します。マナは、ナ・アウ(na’au)によって養われます。 ナ・アウ(Na’au) ナ(na)は、ハワイ語での複数形です。アウ(au)は、私、または私自身を意味します。つまり、ナ・アウとは、万物と自身の繋がりを表します。また、へその下の部分(丹田)のこともナ・アウと呼びます。体の中のその部分に、エネルギーが貯められており、ほとんどの場合が呼吸によって、または意識や私たちが口にする水や食べ物によってそのエネルギーを育んだり、強化することができます。 ホ・オポノポノ(Ho'oponopono) ホ・オポノポノは、ポノを回復させるハワイの術です。ポノとは、正しさまたは正義を意味します。それは人間がもっとも完全な状態です。体と心、魂が調和しているという意味です。 最近、多くの人がホ・オポノポノのことを何らかの神秘的なスピリチュアル療法だと思っているようですが、心と体を省略してしまうとポノの根幹に反します。だからといって、心だけ、または体だけにフォーカスしても効果はありません。人間の全ての部分が統合されてはじめて、真のポノを実現できるのです。ハワイ人の間では、人々は相容れないまま眠りについてはいけないとされていましたので、日の出までに争いを終わらせることが大変重要でした。 古代ハワイでは、個別にホ・オポノポノを行うことはありえませんでした。ホ・オポノポノは、二人以上の人間のためのものでした。何故ならば、人は必ずグループに属しているからです。もし一人でもグループとポノでなければ、彼ら全員が自らとポノになれないということになります。今日では社会がとても大きく、また多様化したこともあり、一つのポノの基準が全ての人に当てはまるとは限らないので、個人的なホ・オポノポノも認められています。例えば、都会出身の人にとっての行動の規範は、田舎の小さな村の人のものとは違うでしょう。そのため、人それぞれ個人的な正しさの感覚を持つ必要があります。ホ・オポノポノの力は、時間と文化を超越していることが裏付けられており、またその原理の有用性は現代社会においても失われていません。人間の完全性を復元する方法は、2,000年以上たった今でもほとんど変わりはないのです。

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