※以下の記事は、10年ほど前にTrinityWebに掲載されていたものです。よって文中にある年数は、10年遡ってお考え下さい。
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私の家族は、4世代前に日本を離れました。日本では、数字の4は死を意味すると言われていますが、死があってこそ生まれ変わりが存在しています。二十数年前、カフナであるカウイラ・クラークはホノルル超禅寺の田上天心老師に才能を見出され、陶芸家としての道を極めるべく田上老師に弟子入りしました。田上老師はその時、彼が何十年もの間、クラークのような人間が現れるのを待っていたと言ったそうです。また、カフ・クラークは、日本の3人の人間国宝、益子焼の濱田庄司氏、瀬戸焼の荒川豊蔵氏、備前焼の藤原雄氏、そして信楽焼の高橋楽斎氏にも師事しました。
田上老師が亡くなってから3年後のある日、カフ・クラークが祈祷(ブレッシング)を行っていた際に私は彼に出会いました。もう7年以上も前のことですが、まるで昨日のことのようにはっきりと覚えています。カフ・クラークの家族は、デイヴィッド・カラカウア王の子孫で、当時カラカウア王は、日本とハワイを結婚によって結びつけることを願っていましたが、ハワイ王国の転覆により、日本の皇族とハワイ王家の結婚は実現されませんでした。しかし、日本とハワイの間には、政治や宗教などというものではない、より深い精神的なつながりであるアロハ(Aloha)が存在しています。私が、「フナ」と呼ばれるアロハの秘められた精神性の知識や医術に出会い、その修行を始めた頃は、まだ私がカフ・クラークの家族に先祖代々伝わる日本とハワイの精神的なつながりを強化する役割の一部を担っているということをよく理解していませんでした。
更に少し前までの何年間は、私自身も日本とハワイのつながりを強化するという自分の役割が終わりに近づいてきていると感じていました。しかし最近になって私の役目はまだ終わっておらず、その時に終わりと感じていたのは、私自身がポノで居続けることを学ぶための期間だったことがわかりました。「ポノ」とは真実、または正しいという意味です。ハワイ人が歌うハワイ・ポノという歌がありますが、ハワイは神と共に正しいということを歌っています。私達人間は、意識状態と繋がりそれを保つこと、すなわち「アロハ」によってのポノでいられるのです。そして4世代を経た今、私がその精神と愛の絆、再生、基盤の一部になったのです。アロハの架け橋の一部となれた幸運に感謝しています。
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